京都生体質量分析研究会について
物理・化学分野において産声を上げた質量分析技術は、今や質量分析を用いない分野はないと言われるまでに普及し、アカデミア研究をはじめ、医療、産業などの様々な現場で広く活用されるようになってきております。とりわけ医学・生物学や医工境界領域における応用範囲の拡大は近年著しく、生体やその周辺を対象とする生体質量分析の必要性や重要性は、今後、益々高まっていくことが予想されます。
私たちが拠点とする京滋地域におきましても、京都大学内の各部局をはじめ生体質量分析に取り組む大学・研究所・企業・医療機関は日々増え続けており、国内最大の質量分析装置メーカーが居を構えていることからも、京都近隣地域には生体質量分析の新しいセンターとなるに相応しい環境が整っていると言えますが、医学・生物学分野での質量分析技術を発展向上させ、組織の垣根を越えて共同研究を涵養していくための仕組みが十分ではありませんでした。
私たちはこのような状況を憂え、京滋地域において質量分析、就中、生体成分等の質量分析に携わる研究者の分野横断的な連携が一層強化されることを願って、京都生体質量分析研究会(Kyoto Biomolecular Mass Spectrometry Society (KBMSS))を設立しました。